【産地】茨城県龍ヶ崎市
【品種】こしひかり(玄米)
【内容量】10kg
【その他】栽培期間中だけでなく、種もみの消毒にも農薬を使わずに育てました。もちろん、化学肥料も使用していません。
翔栄ファームが挑戦する稲作1年目の「こしひかり」
翔栄ファームでは、「安心・安全な食」の提供を行う上で、野菜だけでなく主食である穀類の提供もとても重要なことと考えています。
そこで、以前より、小麦や大麦などの穀類にチャレンジしてきましたが、今年、遂に稲作を始めることとなりました。
稲=米は、畑作とは全く異なるノウハウと設備が必要になり、非常にハードルが高い作物ですが、より多くの方に、安心・安全な「米」をお届けしたいとの思いから、挑戦しました。
農薬・化学肥料を使わない稲作は、非常に困難を極め、稲作挑戦1年目は、予定した量の1/5ほどしか収穫できませんでした。
しかし、ここで得た経験を糧に、来年、再来年と、少しづつ生産量を増やせれば良いと思います。
そんな、翔栄ファーム1年目のお米ですが、手前みそかもしれませんが、味は最高でした。
そこで、収量はわずかですが、皆さんにお届けしたいと思い、限定で販売させていただきます。
ぜひ、ご賞味ください。
【翔栄ファーム1年目のお米・玄米で提供します】
農薬・化学肥料を使わない稲作は本当に難しい
稲作にとっても最も恐れるべきは「イモチ病」です。
これが発生すると、稲の生育が著しく阻害され、籾の念実(実がなること)が阻害されたりして、品質が低下します。
この「イモチ病」の発生を抑えるため、稲作では、種もみの段階で消毒を行います。
この消毒には、いわゆる「農薬」が使われます。
実は、農家さんが入手する種もみは、既に「農薬」による消毒が終わったものが一般的です。つまり、稲作は種もみの段階から農薬を使用しているのです。
私たち翔栄ファームでは、未消毒の種もみを入手し、昔ながらの温湯(おんとう)消毒を行いました。
これは、種もみをぬるま湯に一定時間付けるという手間がかかる消毒法ですが、この一手間をかけることで、農薬を使わずに済みます。
そして、稲作が始まると、今度は雑草やさまざまな伝染病、害虫との闘いが始まります。
特に、雑草は放置すると、稲の成長を粗大するために、稲が雑草に負けないレベルまで成長するまで、徹底した対策が必要です。
稲作で採算を取るためには、1人で巨大な面積を管理する必要があります。
そこで、多くの農家さんでは、農薬を使い雑草対策を行います。
翔栄ファームでは、手作業で雑草対策を行いましたが、結局は作業が追い付かず、全面の1/5ほどが、除草が間に合わず、諦めることになりました。
【左:温湯消毒、右:雑草に覆われた水田】
耕作放棄の開墾とイモチ病との闘い
翔栄ファームが今年、稲作を行った水田は、長年、耕作放棄地となっていた場所です。
以前は、とても美味しいお米が収穫できたという話でしたが、それが見るも無残な状況になっていました。
ほぼ藪(やぶ)…と言えるような元水田を切り開き、故障していたポンプを直し、井戸水をくみ上げて、水田を再生させました。
水田の再生は、畑の再生よりもさらに難しく、田植えギリギリになって何とか滑り込みセーフで、水田ができあがりました。
しかし、田植えを終え、順調に稲が育ち始めた時に、最も恐れていた事態が発生しました。「イモチ病」です。
種もみの温湯消毒は細心の注意を払ってきちんとやっているので、種籾が原因とは思われません。
長い間、放置されていた間に、「イモチ病」の菌が水田に住み着いていた可能性が高いというのが、専門家の見解です。
今はまだ、葉っぱに出ているだけですが、これが実に移ると、籾の念実が阻害されて収量が大幅に落ちたり、品質にも影響を及ぼします。
「イモチ病」は伝染性が強く、一般的に「農薬」で対処するしかありません。
しかし、翔栄ファームでは、化学的に合成された農薬は一切しません。
出てしまった「イモチ病」を駆逐することは難しいですが、これ以上広げる訳には行きません。
そこで、ストチューという穀物素、木酢液と焼酎(25度)を混ぜた自然農薬を使い、祈るような気持ちで対処しました。
その効果が表れてか、葉が枯れる「葉イモチ病」はそれ以上広がらず一時は安堵しました。
しかし、最終的には念実に影響する「穂イモチ病」に転移して、収量に大きく影響を及ぼす結果となってしまいました。
【耕作放棄地の開墾とポンプ修理】
【左:田植え風景、右:イモチ病】
収穫目前に倒伏(とうふく)
数々の困難に見舞われた翔栄ファームの稲作1年目。
ようやく稲が実り始めたころ、「イモチ病」の次に恐れていた倒伏(とうふく…作物が風などで倒れること)が発生しました。
今年は、台風が多く、特に強烈な風雨に襲われることがしばしばでした。
そのため、稲の大半が倒れてしまったのです。
稲穂が水についてしまうと、そこから腐ってしまう可能性があります。
また、極端に倒れると、機械での収穫が難しくなり、手作業で収穫することになりかねません。
しかし、これといって有効な対策も思いつかず、水田から水を抜き(そろそろ水を抜く時期だったこともありますが…)、後はこれ以上倒れないことを祈るのみでした。
その結果、倒伏は進行しましたが、水で稲穂が腐ることもなく、無事に成長しました。
また、倒れ具合も、何とか、機械で収穫できるレベルで済みました。
今年作ったのはコシヒカリですが、コシヒカリは元々、草丈が高く倒伏しやすい品種です。
しかも、今年は通常よりも2割ほど背か高く成長してしまい(ずっと放棄されいたので、栄養が溜まっていたのかもしれません)、さらに倒伏しやすい状況になっていました。
来年以降の品種の選定については慎重に検討しないといけません。
【左:倒伏した稲、右:稲の収穫】
今後も翔栄ファームは稲作に挑戦します!
ある意味、稲作初年度で、およそ考えられる、さまざまな困難を経験した翔栄ファームの稲作。
収量は予定した1/5程度となりましたが、自分たちで育て、収穫したお米は、格別のものでした。
そして、改めて農薬・化学肥料を使わない稲作の大変さと、なぜ、多くのお米農家さんが、農薬・化学肥料を多用するのか、改めて実感しました。
「安心・安全の食」を提供するためには、この非常に困難な、農薬・化学肥料を使わない稲作技術を、どんどん高める必要があります。
今年得た教訓を生かし、来年も翔栄ファームは稲作に挑戦したいと思います。 皆さんも、応援よろしくお願いいたします!
【食味を確認するために精米して食べてみました!※提供は玄米になります】
翔栄ファームの稲作挑戦1年目のこしひかり玄米 1㎏はこちら
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