毎日食べる野菜。
現代は、スーパーやネット通販、道の駅、産直市場などで、様々な種類の色とりどりの野菜を買うことが出来る便利な時代です。そんな豊富な選択肢の中から、皆様は何を基準に、ご家族やご自身が食べる野菜を選んでいるでしょうか?
味、鮮度、農薬、化学肥料、価格、産地、献立etc. 様々な情報を確認しながら、それぞれの基準に沿って選択なさっていることと思います。特に、農薬や化学肥料の使用量は真っ先に頭に浮かぶのではないでしょうか?
理想はもちろん、農薬・化学肥料一切不使用のものですが、有機やオーガニックと表示されているもの、あるいは低農薬や減農薬と謳われているものなどを選択基準になさっていることと想像します。(鮮度の良さは大前提です!)
何となくこれで十分な気がしてしまうのが私たちの日常です。しかし実は農薬・化学肥料の使用量以上に気にするべき基準があると、私たちは考えています。
それが野菜を育てる「土」と、「種(たね)」です。
翔栄ファームは2018年にスタートし、群馬県前橋市、茨城県龍ヶ崎市、岐阜県美濃加茂市の自社農場で固定種・在来種の野菜のみを農薬・化学肥料を一切使用しない自然栽培による農業を行っています。
収穫した野菜は産地からの直送で、自社運営の自然食品店舗であるビセットプラザや通販サイト「しぜんとくらそ」などで販売しています。
翔栄ファームの自然栽培の特徴は、以下の3つになります。
それぞれについて、簡単に解説いたします。
美味しく健康な野菜を自然栽培するためには「土壌」が豊かである必要があります。野菜を育てるのは決して化学肥料ではありません。
1ミリグラムの土の中に100万~1,000万存在するという微生物の力によるのです。翔栄ファームでは、野菜の生育環境である土壌をより多様性に富んだものとするために「土づくり」に特に力を入れています。
一例として、農場近隣の落ち葉を我々スタッフで大量にかき集め、それを発酵させた腐葉土を畑の土に混ぜ合わせることで、土中の微生物による自然本来の偉大な循環サイクルの活性化を図っています。
逆に、農薬や化学肥料を使用することは、土の中の微生物を減少させ、やがては微生物が住めない「死んだ畑」に行きつきます。だから、私たち翔栄ファームでは、農薬や化学肥料を一切使用しないのです。
自家採種とは、自分たちで育てた作物から、自分たちで「種(たね)」を採ることです。そして、その種を使って、次の作物を育てます。
それって当たり前のことと思っていませんか?
でも、今の日本の農業では、毎年、種(その大半は自家採種ができないものです)を買うことが一般的です。
しかし、それはとても不自然なことだと私たちは考えています。そこで、私たちは農業を始めるにあたって先ず、(自家採種ができる)固定種・在来種の種を買うことから始めました。
そして翔栄ファームの自社農場でどの品種が適応するかを見極めたいとの想いから、初年度より100品種以上の種を播きました。
技術力の問題もあり、上手く栽培できたものよりもそうでないものの方が多かったのは事実です。
それでも収穫物から種を取り(自家採種)、3年目の2021年には多くの品種で自家採種が出来るようになっています。
これからも自家採種100%を目指して「種をつなぐ農業」にこだわり続けます。
※種の問題については、文末のコラムも参照してください。
繰り返しになりますが、翔栄ファームは固定種・在来種の野菜のみを農薬・化学肥料を一切使わない自然栽培で、生産しています。
土本来の力を呼び起こし、微生物の力を最大限に生かした農業を行うためにも、農薬や化学肥料は使うわけにはいきません。そして、自分たちで育てた野菜から、種を採り、次の世代を育てる。その当たり前のことが、当たり前にできる農業を目指しています。
その理由は、私たちは自然の力に勝るものはないと確信しているからです。
世の中を見渡せば、農薬・化学肥料をはじめ、食品添加物、保存料など、化学のお化けのようなもので満ち溢れています。
私たちはこのような人為的あるいは不自然なものを食べ続けることによる健康被害は決して小さくないと考えているのです。
野菜の種(たね)には大別して2種類あります。
1つ目は栽培後、種を取り翌年植えると品質が変わらない種。恐らく皆様、「そんなの当たり前でしょ?なに言っているの?」と思われるでしょう。
因みにこういう種のことを「固定種・在来種」といいます。そして2つ目が、栽培後、種を取り翌年植えても品質が大幅に劣化してしまうため、種は取らずに翌年は新しい種を買って植えなければならない種です。
これを一般的に「F種」や「F1の種」といいます。
F1とは、異なる品種のものを人工的に掛け合わせて作った雑種(hybrid)の最初の世代(first filial generation)です。このF1種の生産を拡大するために、多くのF1種は「雄性不稔(雄しべが出来ない)」の性質を持っています。詳しくは割愛しますが、要は「不自然、あるいは人工的な種」ということです。
残念ながら日常的な買い物での購入野菜はまず間違いなくこの「F1種の野菜」と思ってもらって間違いないと思います。
「固定種」は、何世代にもわたり、栽培・収穫し、種を取り、また植え、種を取る、といった自然な栽培の繰り返しの中で、その野菜の個性が定着し、固定していき、自然のうちに選抜・淘汰され、遺伝的に安定した品種のことです。
「在来種」は、固定種のひとつで、その地域の気候・風土に合わせて適応していった野菜のことです。「伝統野菜」といわれることもあります。
翔栄ファームが考える「安心・安全な野菜づくり」の重要な基準の一つが、この「固定種・在来種の種のみを使用する」ということなのです。
皆様もぜひ私たちの作った安心・安全な野菜を召し上がってみませんか。
採れたてを農場から直送します!